これからの暮らし方には、パッシブデザイン×ゼロエネルギー住宅という選択があります。

暮らしをデザインするということは、これからの未来を守ることにも繋がっています。
近い将来、標準化されつつある「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」。
これは、「自宅でエネルギーを創って、自宅で使う」時代になってきているということ。

パッシブデザイン×ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)

高効率の設備だけに頼った暮らしから、自然エネルギーを取り入れた暮らしへ。
そこで、私たちが提唱したいのは、ZEH を可能にする
パッシブ・デザインという設計方法。

Passive Design(パッシブデザイン)

外部エネルギー(太陽や風)をパッシブ(受動的)に受け取ることで、エアコンなど機械的にコントロールされた室内温度ではなく、冬は陽だまりの温もりを、夏は涼しい風を感じてもらえる快適室内温度を目指すのが、パッシブデザインという設計方法です。

パッシブデザインで目指すもの

性能だけ、意匠性だけを追求するのではなく
住まい本来の目的である暮らしを愉しむということを満足した上で
快適健康省エネな暮らしを実現できるか?

作り手として何が出来るかをマジメに考えた結果がここにあります。

家庭で使うエネルギーの大半は、熱エネルギー。

その大半の熱エネルギーを自然エネルギーや建築的工夫(パッシブ・デザイン)をすることで、かなり補えてしまうこと。だから、家庭のお財布にも、地球の環境にもトコトンやさしい、パッシブデザインによるZEH(ゼロエネルギー住宅)を、私たちは提案します。

ZEH Zero Energy House(ゼロネ住宅)

ZEH(ネット・ゼロエネルギーハウス)とは、太陽光発電などのエネルギー創出量と、家庭・住宅で使用するエネルギー消費量が年間で概ねゼロになる住宅のことを言います。概ねゼロだから、ネットゼロと称して、正味ゼロという意味。ZEHと書いてゼッチと読みます。

ZEHが推奨されるその訳は?

温暖化の問題

1950年から2100年までの気温変化(観測と予測)によると、最大4.8℃上昇するという予測データがあるように、地球の温暖化は深刻な問題となっています。

COP21での合意

地球温暖化対策の国際会議「COP21」において、パリ協定が採択。

主なポイント

世界的な平均気温の上昇を、産業革命以前に比べて2.0℃未満に保ち、1.5℃未満に抑える努力をする。この目的達成に向け、今世紀後半には、人為的な温室効果ガス等の排出量を実質ゼロにすることを目指すというもの。

経済産業省のZEHロードマップ

エネルギー基本計画(2014年4月閣議決定)において、2020年までには、ZEH(ゼロエネ住宅)の標準化を目標としています。

図: ZEHロードマップ

ちょっと先の暮らしをデザインするから、パッシブデザインによるZEHを提唱します。

機械設備(メカ)の力で達成する
ゼロ・エネルギー住宅

自然エネルギーや建築的工夫(パッシブ・デザイン)で
達成するゼロ・エネルギー住宅

パッシブデザイン5つの要素

1.断熱

図; 断熱

建物全体の断熱性能の指標として「UA値」や「Q値」があり、実際にその建物がどの程度の断熱性能を持っているかを知るには、こうした指標を見ることが確実です。地域によって求められる断熱性能も異なります。
以下に地域ごとの基準値(上限値)を示します。

和らぎの家では: 私たちが住む愛知県での基準は、暖房度日の基準【6】ですが、和らぎの家では、より厳しい【2〜3】を、目指しています。

2.日射遮蔽

図; 日射遮蔽

暑い夏にエアコンに頼ることなく「涼しく」過ごすために、この日射遮蔽は何より重要です。今の日本の住宅は、この日射遮蔽が出来ていないため、夏の暑さに弱いのも大きな要因の一つと言われています。窓から入るこの日射を最大限に少なくすることで、室内の温度上昇を抑え、エアコンに頼らなくてもエコで快適な室内温度を実現できるのです。

和らぎの家では: 夏場の日射を遮ります。

3. 自然風利用

図; 自然風利用

身体に風が当たると涼しいと感じるという効果を取り入れた手法です。それだけではなく、建物の中に溜まった熱を排出させる目的もあります。自然風利用のポイントは「外気温が低い時や、外気温が低い窓から風を取り入れる」ために、様々な手法があります。

・卓越風を直接取り込める開口部を設置。
・風を呼び込める袖窓や出窓等(ウィンドキャッチャー)を設置。
・屋根面の風圧係数が負になる部分に天窓や頂側窓等を設けて通風を確保。
・引戸や欄間等を採用することにより、住宅内の通風経路を確保。など。

和らぎの家では: 卓越風向データを参考に、ウィンドウキャッチャーを設けます。

4. 昼光利用

図; 昼光利用

昼間の太陽光をそのまま光として利用し、人工照明に頼らず、室内を明るくすることを目的とします。居室にはできるだけ2面以上の採光が取れるように設計し、1階南面から採光が難しい場合には、吹抜けなどのプランなども計画します。窓が十分に設けられなくても、窓から離れた部屋に光を導いて明るくすることも可能です。室内の壁や天井を白系にすれば、反射した光が奧まで進み、南側のベランダや庇に反射させた光を奧まで導く方法もあります。

和らぎの家では: 照明を使わず、室內を明るく設計。

5.日射熱利用暖房

図; 日射熱利用暖房

冬に窓からできるだけ多くの太陽熱を取り入れ、蓄熱する工夫をこらすことによって、その蓄えられた熱を主に夜間に暖房として使う手法です。
「集熱」「断熱」「蓄熱」この3つのバランスをうまく整えられれば、室温変動が小さくなり、快適性が向上し、暖房エネルギーの削減につながります。

和らぎの家では: 晴れた昼間に南側の窓から熱を取り入れ、夜間は放熱して部屋を暖めます。